全日本小学校バンドフェスティバル東京都大会
今年度から絶対参加日のある練習方法に変更となった。
そのおかけで早くから「予想以上に順調に進んだ」と手応えを感じていた虫明先生。朝早くからの練習は、夏休みの生活リズムを乱すことなく、児童と保護者にとっても有意義なものとなった。
そんな充実感とほのかな期待を胸に本番当日の朝を迎えた。
強い雨の降る中、バスへの楽器搬入作業。児童も保護者もずぶ濡れになりながら、必死に楽器を積み込み出発した。
会場は葛飾区水元小合スポーツセンター。
初めての会場でどう動いて良いのか分からない中、バスの中では岩井さんが上手に仕切ってくれ、到着と同時に先生と山井部長がスタンバイしてくれてホッとした。
会場は客席の座席数が少ないものの、アリーナに設置されたパイプ椅子はかなり余裕があった。けれど正面から我が子の顔を見たいためか、スタンドの保護者席は立ち見の人で溢れかえっていた。
そしてついにコンクールが始まり、各学校の渾身の一曲が奏でられた。
昨年と比べて動きのある学校が大幅に増えたと感じた。
そしていよいよ東陽小の出番。
アリーナにスタンバイする、打楽器設置の児童や保護者達と、その前のパイプ椅子に腰掛ける虫明先生の姿があった。
昨年までのコンクールでは、客席から演奏直前の先生の姿を見ることはできなかった。
しかし今回は、大きく息を吸い天井を見上げたり、そわそわと手を動かしたりする緊張している先生の様子を初めて見た。
児童はもちろん、この瞬間のために情熱を捧げてきた虫明先生。
私達保護者はみんなでその姿に向かって「頑張って!」と心からエールを送っていた。
そして東陽小の演奏が始まった。子供達一人一人が真剣な眼差しで先生を見つめ、一吹、一打を大切に奏でた。
結果は見事金賞!
しかし音楽室で聞いた結果発表では、くやし涙を流す子もいたという。
6年生は2年前に全国大会を一度経験しているため、行かれるかもと期待をしていた子も多かったかもしれない。
しかしどの学校も毎日練習し、切磋琢磨して挑んだこの大会。全国への壁は簡単には破れないことを痛感した。
しかし演奏後、コンサートマスターに「演奏どうだった?」と聞いた時「いつも通りの演奏ができてかな。なによりも達成感があるよ!充実感でいっぱい!」と笑顔で話してくれたことが印象的だった。
来年のコンクールも金賞、そして全国大会出場目指して頑張れ東陽小学校!
ペンネーム エマ